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ケースワーク

ちょっとした家の生活音に驚き、けがをしてしまいます。

質問

ラブ雑種4歳メスなのですが、昼間は外の小屋につないでおり、夜は 家の中に入れています。
雪が屋根から落ちる音、稲田の鳥よけの「パンッ」という音がすると パニックになります。
先日も雨戸の戸袋を破壊し両手の肉球を切りました。以前には外から窓+網戸を突き破って家の中に飛び込んだこともあり ます。(このときは肉球を縫いました)
また、ネコがいると非常に興奮してしまいます。設備的な対応、もしくはトレーニングなどできることがありますでしょうか。


回答

まず、お外の小屋につないであるとのこと。どんな小屋なのでしょうか。それだけ音に対して敏感であるようなので、「音にならしていく」とい うのが基本的なトレーニングとなるでしょうが(例えば嫌いな効果音を 聞かせながらおやつをあげるだとか)、正直、こ のように音にならさせていくには莫大な時間がかかります(なかなか結果が出てきません)。 何もしないよりは、と承知しながら一日中音を聞かせる(ラジオをそば に置 いて音を紛らわせる)トレーニングが一般的と思われます。
しかし、このケースで言うと、「何か一緒に楽しく行動しながらならし ていく」やり方の方が良いでしょう。「音」に固執するのではなく、 「行動」することにより自然とその「音」を受け入 れてもらえるよう に。大好きな飼い主様と行動を共にしているときに、もしパニックに陥 るようなことがあれば「何をそんなに反応してるの」と呆れ顔を見せる 演技 をしてください。(「怖いの?大丈夫?」などと大げさに人間が反 応を見せると、犬はもっとパニックを起こす傾向があります)一緒に近 くのスーパーまで買い物に行く、一緒にドライブす る、一緒に公園を走 る、など変哲もないことを日常欠かさず行なうだけで行動は変わってくるでしょう。しかし、ここでも「時間はかかる」のが前提です。とにか く、優しい目で見守ってあげることが大切です。
同時に行なっていただきたいのは、冒頭にでてきた「安心できる小屋」 を提供してあげることです。つまり、隠れる場所を作ってあげること。 犬とはもともと暗くて狭い場所を「安心できる」所として好みます。お 外の小屋はもちろんのこと、おうちのハウスも工夫してあげてください。
「狭い洞窟」を作ってあげることです。もしサークルのような、内側か ら外が見えるようなものであれば、毛布やバスタオルなどで覆って、内 側を暗くしてあげてください。そして、より「安心 できる場所」と認識 してもらうためには、その中でご飯を食べさせる、その中に大好きなガ ムがある、気持ちのいいマットがしいてあるなど、小屋の中を快適な環 境に してあげること。
「神経質な馬にはたくさんの放牧時間を与えること」のように、たくさ んの長くて楽しいお散歩時間を作ってあげながら(外につないであると いうのは「放牧」と別種類だと理解してください。 なんたって、好きな 所へいけなく、退屈で仕方ないのですから)、隠れる場所を提供して、 そして、音とうまく共存させていってあげてください。音への敏感さを取るのは時間がかかります。人間がいかに上手に、我慢強くつきあって いくことができるかが大切です。
本来なら、子犬の社会化の時期に真新しいものを聞いて、見て、(猫 や、はためく旗など)「なんじゃ、こりゃ!!!」とパニックは起こすものの、「あ、これかこれなら前に見た(聞いた)ことがあるぞと対処していくのが通常ですが、もう4歳です。
かなり根強く音への敏感さが埋め込まれてしまっていることを覚悟してください。
とはいえ、大丈夫。きっとうまく対応できるワンコになりますよ!頑張ってください!

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